2016.06.24更新

              Velocity

 コンピュータ関連出版で知られるオライリー(カリフォルニア州セバストポル本社)が、サンタクララ・コンベンションセンターでVelocity会議を開催しました。Velocity会議ではウェッブの運営、セキュリティ、パーフォマンス向上などが討議され、ニューヨーク、北京、バルセロナでも開催されています。ウエッブに関するトレーニングは6月20日から始まっていましたが、基調講演やセッション、そして展示は6月22日から23日まででした。

 展示はGitHub、インテル、IBM Cloud、シスコ、セールズフォース、マイクロソフト、VMware、アカマイ、New Relicといったデベロッパーの方々によく知られている企業から、モバイルアプリのパーフォマンス向上が出来るサンフランシスコ本社のFastly、イスラエルのスタートアップなど、興味深い多くの企業が出展していました。 基調講演も充実しており、グーグルがスケーリングについて、GitHubがチャットに関し、Linkedinがユーザー・データ、フェイスブックがウェッブ・パーフォマンス向上について、マイクロソフトがクラウドからモバイルへのデリバリーに関して講演しました。他にもコンテンツ・デリバリーのアカマイや雑誌のWired、口コミサイトのヤルプ、営業支援のクラウドサービス、セールズフォースなどセッションも朝から晩まで、1日に約32セッション(基調講演を含まず)あって、何処に行くか選ぶのに迷いました。

 会議の合間の休憩などで、Linkedin、AWS、クラウディア、GitHub、グーグルの講演者らと話し合え、「オフィスに遊びに来ていいわよ」と言われたりしました。基調講演の一部は以下のサイトでご覧になれます。https://www.oreilly.com/ideas/keynotes-from-velocity-santa-clara-2016 明日は興味深かったセッション、展示などについて、ご報告させて下さい。

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.06.23更新

             Mr.Taira

「三洋電機の米国子会社会長のポストを捨て、独立すると言い出したら、50歳を過ぎて会社を飛び出したところで、三洋の看板がなくなれば明日から飯の食い上げだぞ」と、同僚や上司から諌められながら、投資家に転身された平強(たいら・つよし)さん。今日はシリコンバレー(SV)で活躍中の平さんに、いろいろとお話をお聞きして参りました。(上写真の左:ジェノバ取締役角田さん、青いシャツ:平さん、右奥:CIBEROCのCEO, MURTHYさん、手前の女性:アジア経済研究所の川上博士)

 平さんは96年、ベンチャー投資会社タザンインターナショナルを設立、2000年にスタンフォード大学院のインド系学生5人が始めたジャングリーというサーチエンジンの会社に75万ドルを投資しました。その2年後にアマゾン・ドットコムにジャングリーを2億1000万ドルで買わせたという経歴をお持ちです。 平さんは投資とは「ただお金を渡し、あとはお任せということじゃなく、投資した会社のテクノロジー開発に、根気強くつき合って、どうにか立ち上がるまで面倒を見る」そうです。ジャングリーの方々は「僕らが諦めそうになると、平さんがいや、未だ未だ。絶対に諦めない!と、強力に鼓舞してくれた」と、尊敬されていました。平さんのような方の支えがあるからこそ、SVではスタートアップが大きく化けたり、売却のエグジットが多くあるんでしょうね。  

 平さんは今、データ・セキュリティ企業のCIBEROC、プラスチックに粉末をかけると短期間に土に変わるGXT−Green、データコンプレッションやビジュアルな画像が見える聴診器の会社などに投資されています。CIBEROCの最高経営責任者(CEO)、サンバ・マーティさんは「平さんは技術が大好きで惚れ込んで、腕まくりをして、毎日現場で仕事する、経験豊富なエンジェル投資家」と述べていました。もっと、平さんのことをお知りになりたい方は、平さんの本「エンジニアよ 挑戦せよ」がアマゾンで販売されているそうです。そのサイトは以下のとおりです。https://www.amazon.co.jp/gp/offer-listing/4822224651/ref=dp_olp_used_mbc?ie=UTF8&condition=used

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.06.22更新

            public open space in SF

 サンフランシスコのダウンタウンを歩いていると、PUBLIC OPEN SPACE (公共オープンスペース)というロゴがあちこちのビルや広場、テラスにあるんです。最近建てられた2ndとハワードストリートにあるリンクドインの高層ビルにもこのマークが。最初、どうしてこのマークが、サンフランシスコのあちらこちらにあるのかを、サンフランシスカンを聞いたのですが、「そんなのあった?」とか、「たぶん、高層ビル建てる時、市の交換条件じゃないの?」と、はっきりしません。

 で、調べてみました。私有公共オープンスペース(Privately-Owned Public Open Spaces)はPOPOSと呼ばれ、民間のデベロッパーらが提供し、維持しています。デベロッパーは、市の建築許可の条件だったり、公共サービスとして自発的に作ったり、土地が込み過ぎるからなどの理由で、オープンスペースを作ってきました。1985年に「ダウンタウン計画」が採択されたため、それ以降は皆がアクセスできるオープンスペースの要件が出来たそうです。

 なんと、サンフランシスコのダウンタウンには、約70のPOPOSがあり、その大部分がダウンタウンのオフィス街あるそうです!街で働くワーカー、住民や観光客に、快適空間を提供しています。子供を遊ばせたり、ランチでサンドイッチを食べたり、パソコンを打っていたり、本を読んでいるサンフランシスカンもいます。高層ビルが林立し過ぎると息が詰まるので、POPOSで寛げるのは嬉しいことです。

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.06.21更新

          Forge DevCon

 先週、オートデスク初のクラウド・プラットフォーム開発者会議Forge DevConが、6月15日と16日に開催されました(帰宅で遅くなりすぎ、体調を壊したため、ご報告が遅れすいません)。

 クラウドにつながっているフォージ(Forge)プラットフォームは、エンジニアリング、デザイン、製造を統合できるもので、会場にはVR/AR(バーチャルリアリティと拡張現実)、3Dプリティングや3Dスキャナー、モノのインターネット、建設関連の新しいソフトウェアソリューションなどが展示されていました。

 同時に、オートデスクのエグゼクティブの講演だけでなく、3Dロボティックス設立者でCEOのChris AndersonさんやAWS のMackenzie Kosutさんの講演。そして、グーグルのプロダクト・デザイナー、Josh Carpenterさんがバーチャルリアリティのゲームの作り方を具体的に映像付きで、聴衆に見せて下さいました。  50以上のセッションやワークショップもあって、参加したデベロッパー、業界のリーダー、投資家たちの皆さんが、Forgeの設計ツールやコードの書き方をハンズオンで習ったり、触ったりしていました。このForge DevConは以下のサイトで、基調講演の一部を見ることができます。http://forge.autodesk.com/conference/

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.06.17更新

           SF Public transportation

 元米海軍基地のフォート・メーソンセンター(Fort Mason Center)で 昨日から今日、CADや3Dソフトのオートデスクが、クラウド・プラットフォームのForge DevCon(フォージ・デブコン)を開催しました。基調講演から50以上のセッションが行われ、とても充実しているイベントなのです。ですが、参加するに当たって、本当に嫌になったことが一つありました。それは、もちろんイベントのことではなく、アメリカの公共交通機関のことでございます!

 ウッバー、リフト、最近売り出し中のチャリオット(chariot)を使わず、会場までバスで移動したんですね。サンフランシスコのダウンタウンからグーグル・マップに2 Marina Boulevard San Franciscoと住所を入力し、バスマークをクリックしたんですね。同市交通局運営の路線バス(ミュニバス)の30番に乗れと出ました。遅れちゃいけないと、午前6時に起きて、ダウンタウンから会場に向かったんです。サンフランシスコ国際空港のインフォメーションデスクでも買えるICカードのClipper Card(クリッパー・カード)を持っているし、グーグルマップで調べたし、フォート・メーソンセンターへは何度か行ったこともあるし、楽勝だと思ってました。

 しかし、バスで会場に行ったことがないので、まず30番のバス乗り場探しが良く分からず、乗ったら乗ったで何処で降りたら良いかはっきりしません。運転手さんに聞いたら、「マリーナね。あそこで降りて、向かい側のバス停まで歩いてまた、30番のバスに乗って」と言われました。「何で30番からまた、30番に乗るのか変だ」と思いつつも、プロのいうことと、その指示通りにしました。次のバスが高級そうなショッピング街とか過ぎていくので、以前はこんな場所通らなかったと不安になりました。運転手さんに聞いたら「え、どうしてこのバスに乗ったの?」といわれる始末。どうも最初の運転手さんはヨットハーバーのマリーナと間違えたようです。降ろしてもらって、40分ぐらい歩いて、やっとフォート・メーソンの会場に到着しました。

 充実したForge DevConの内容は明日、ブログに書きますが、この!苦労した歩き話にもう少し付き合って下さい。イベント会場を午後7時半に出て、またバスに乗り、また次のバスに乗り換えてダウンタウンのバスターミナルへ、やっと8時半頃着きました。ですが、家まで直行するフェリーも、バスもすでに終わっておりました。それで、一番近くまで行くバスに4ドル25セント程度支払って、乗りました。でも、このバスが午後9時5分にならないと出ないんです。橋を渡って、自宅近くのバス停で降ろしてもらいました。時計を見ると、既に9時51分です。ここから自宅まで約1時間、夜歩きし、到着したのが11時です。何で7時半に会場を出たのに11時!?何でしょうかぁー。フェリーもバスも早く終わり過ぎだし、ベイエリア高速鉄道のBARTの駅は危ないし。車を使いたくても、サンフランシスコの駐車料金は高いし。比べちゃいけないけど、東京の山手線や地下鉄の便利さが、とても懐かしいです。

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.06.17更新

           SF Public transportation

 元米海軍基地のフォート・メーソンセンター(Fort Mason Center)で 昨日から今日、CADや3Dソフトのオートデスクが、クラウド・プラットフォームのForge DevCon(フォージ・デブコン)を開催しました。基調講演から50以上のセッションが行われ、とても充実しているイベントなのです。ですが、参加するに当たって、本当に嫌になったことが一つありました。それは、もちろんイベントのことではなく、アメリカの公共交通機関のことでございます!

 ウッバー、リフト、最近売り出し中のチャリオット(chariot)を使わず、会場までバスで移動したんですね。サンフランシスコのダウンタウンからグーグル・マップに2 Marina Boulevard San Franciscoと住所を入力し、バスマークをクリックしたんですね。同市交通局運営の路線バス(ミュニバス)の30番に乗れと出ました。遅れちゃいけないと、午前6時に起きて、ダウンタウンから会場に向かったんです。サンフランシスコ国際空港のインフォメーションデスクでも買えるICカードのClipper Card(クリッパー・カード)を持っているし、グーグルマップで調べたし、フォート・メーソンセンターへは何度か行ったこともあるし、楽勝だと思ってました。

 しかし、バスで会場に行ったことがないので、まず30番のバス乗り場探しが良く分からず、乗ったら乗ったで何処で降りたら良いかはっきりしません。運転手さんに聞いたら、「マリーナね。あそこで降りて、向かい側のバス停まで歩いてまた、30番のバスに乗って」と言われました。「何で30番からまた、30番に乗るのか変だ」と思いつつも、プロのいうことと、その指示通りにしました。次のバスが高級そうなショッピング街とか過ぎていくので、以前はこんな場所通らなかったと不安になりました。運転手さんに聞いたら「え、どうしてこのバスに乗ったの?」といわれる始末。どうも最初の運転手さんはヨットハーバーのマリーナと間違えたようです。降ろしてもらって、40分ぐらい歩いて、やっとフォート・メーソンの会場に到着しました。

 充実したForge DevConの内容は明日、ブログに書きますが、この!苦労した歩き話にもう少し付き合って下さい。イベント会場を午後7時半に出て、またバスに乗り、また次のバスに乗り換えてダウンタウンのバスターミナルへ、やっと8時半頃着きました。ですが、家まで直行するフェリーも、バスもすでに終わっておりました。それで、一番近くまで行くバスに4ドル25セント程度支払って、乗りました。でも、このバスが午後9時5分にならないと出ないんです。橋を渡って、自宅近くのバス停で降ろしてもらいました。時計を見ると、既に9時51分です。ここから自宅まで約1時間、夜歩きし、到着したのが11時です。何で7時半に会場を出たのに11時!?何でしょうかぁー。フェリーもバスも早く終わり過ぎだし、ベイエリア高速鉄道のBARTの駅は危ないし。車を使いたくても、サンフランシスコの駐車料金は高いし。比べちゃいけないけど、東京の山手線や地下鉄の便利さが、とても懐かしいです。

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.06.16更新

            Twitter at Market Street

 昨晩、サンフランシスコのツィッター本社でデータ・サイエンスに関するイベントがありました。ダウンタウンの目抜き通りのマーケット・ストリートにあるビルの1階フロアには、開始前から長い列が出来ていました。150人定員なのに、約700名がgoingだったからです。1時間前に来たので(備えあれば憂いなし)、幸いなことに中に入れましたよ。警備員の案内で上層階に行くと市庁舎やオペラハウスが見えるではありませんか。広々としたカフェテリアやテラス、ゲームセンターもあって、中々ナイスであります。

 今日のサンフランシスコ・データ・サイエンス (SF Data Science) のミートアップ、プレゼンターは、あの“ジェフ・ マー(Jeff・Ma)”さんです。マーさんは2008年公開のアメリカ映画「ラスベガスをぶっつぶせ(原題:21)」のインスピレーションとなったMIT ブラックジャック・チームのメンバーでした。彼は今まで4社の起業で、ヤフーやバージンなどへの売却に成功してます。マーさんが2012年に設立したデータとアナリティックスを使って人材採用や人材評価するtenXerは2015年4月、ツィッターに買収されました。そのため現在彼は、ツィッターのビジネス・インサイト・シニア・ディレクターとして活躍されています。

 自己紹介から自動微分まで紹介するマーさんのノリの良いプレゼンに、東京からご参加の凄腕ディベロッパーの方は「私が学生だった頃、学習アルゴリズムは研究室固有の資産だったのですが、いまは誰でもアクセスし、超簡単に実装できるツールという時代になっちゃったんですね」とのご感想。微分などの数値計算が今や、プログラミング言語のライブラリとして提供されている、シリコンバレーのデータ・サイエンスの進み具合の速さに感心されてました。ビッグデータがまさに日々の生活を変えつつあるんですね。気をつけないとヤバイことになりそうでございます。開発の方々、お手柔らかにお願い申し上げます。

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.06.15更新

            nasdaq entrepreneurial center

 日本から見ると、シリコンバレーではハイテク企業が急速に成長し、チャンスが豊富にあるように見えます。ですが、米国市場は「極度に競争が激しく、とても複雑で、よく誤解され、多くの神話や歪曲が多い」そうです。6月7日、サンフランシスコのナスダック起業センターで、起業のコツを教える講習がありました。最初に自ら何度も起業し、35か国以上の政府に起業訓練を行ってきたミッシェル・メシーナ(Michelle Messina)さんが、同センターで講演しました。彼女は最近、Decoding Silicon Valley (シリコンバレーを解析する)という、SVで実際に何が起こっているのかに関する本を出版したばかりです。

 メシーナさんは、SVの投資家、VC(ベンチャー・キャピタリスト)が普通、起業して上場や事業売却まで10年と良くいいますが、「実際は14年から17年」ともっと長い期間がかかっていると指摘しました。また、SVでは一つのアイディアや新しい技術で、類似のものが既に10社から20社あって、競争が実に激しいです。しかし、大部分のスタートアップは他から殺されるのではなく、自殺する(Most startups die of suicide, not homicide.)のだとか。また、SVでは真似しごんべ(copycat)が大嫌いで、ネットワークが非常に重要視されており、セールス・マーケティングが他の国と全く異なることなど、この地の特徴を次々解説しました。

 続いて、世界4大会計事務所の一つであるKPMGのマネージング・ディレクター、ローラ・ワッツ(Laura Watts)さんが、事業基盤を強化するためにアメリカでの会社設立、財務・税務等を説明しました。「エンジニアの方々は税務を軽視する傾向がありますが、IRS(アメリカ合衆国内歳入庁)が企業を潰してしまうこともあるんです」と、起業で税務法規を遵守することの重要性を訴えました。 アメリカにやってきたインターナショナルな才能に、成功のためのチェックリストやヒントを出し、エンパワーして、シリコンバレーの豊かなエコシステムに入れるよう、ナスダック起業センターには色々な学びの機会が用意されています(http://thecenter.nasdaq.org)。

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.06.14更新

        WWDC 2016

 アップルのワールドワイド・デベロッパーズ・コンフェレンス(Worldwide Developers Conference:WWDC)の基調講演がサンフランシスコのビル・グラハム・シビック・オードトリアム(Bill Graham Civic Auditorium)で開催されています。WatchOS2、tvOS、OSXのMacOS SierraやiOSのiOS10など、4つのプラットフォームで新しい発表が続々出ております(http://www.apple.com/apple-events/june-2016/)。ですが、一番のニュースはSiriのSDK(ソフトウェア開発キット)がデベロッパーにオープンされたことでしょう。

 Siriを使ってiPhone上でUber やLiftを読んだりできるようになりました。アマゾンの音声認識するパーソナル・アシスタント、アレクサ(Alexa)に対抗しているのかもしれませんが。コンピューターのディープ・ラーニングを使っているので、ユーザーのSiriへの問いかけに対し、Siriがインテリジェントな提案(Intelligent suggestions)をしたり、現在位置(current location)を地図から引き出してきたり、連絡先(contact information)やスケジューリング(intelligent scheduling)で、カレンダー(calendar availability)から引き出したり、カレンダー上に記憶したり、探したり(Lookup)、キーボードを変えなくても多言語でタイピング (Multilingual typing)できます。写真を選んだり、Apple Payで支払えたり、凄いもんです。そしてフェイシャル・レコグニション、つまり顔認識システムすら、ローカルのiPhoneでできるそうです。ちょっと不安ですが、心配なプライバーは守られていると、プレゼンターは言います。    

 Apple Payもウェッブ上で支払えるようになったり、マックのディスク上のメモリーが一杯になったら、圧縮してフリースペースを作り出すように仕組みや絵文字、写真や映像を音楽と合わせて自動的に編集したり、ライブラリーのプレイリストからのミュージックを聴きやすくする仕組み、iメッセージアプリなど色々な発表があり、例年より楽しめるWWDCという気がしました。

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.06.11更新

            IoT Innovation Day         

 イノベーションでは大企業ほど危機にさらされているとか。アメリカのヤフーが市場競争に負け、特許資産を現在売り出し中で、バラバラになりつつあるのはニュースで皆さんご存じでしょう。スタートアップから大企業まで競争が激しいシリコンバレー。今まで市場になかった製品が世界を変える、いわゆるディスラプション(disruption)を起こすことは大変です。そこで、モノにセンサーを付け、通信機能を使ってインターネットで管理したり、モノの状態をモニターするIoT(Internet of Things)で、ディスラプションを起こしませんかと、インテル(Intel)、IBM、台湾本社で日本法人もあるADLINK、そしてプリズム・テック(Prism Tech)が、シリコンバレーのテックな人々に招聘をかけました。それがサンノゼのテック・ミュージーアムで行われた、 IoT革新の日(IoT Innovation Day)です(写真右上インテルのIoT部門CTOのMr. Brian McCarsonと、写真左上IBM Inovvation Executie のMr. Rob Risany)。

 通告文にあった「端っこ(Edge)」というキーワードに惹かれ、サンフランシスコから時間をかけてサンノゼにはるばる?参りましたよ。Edge って、IoT事業の崖っぷちという意味にも取れなくはないが、というのは冗談です!しかし、IoT事業の今は概ね投資ばかりで、回収はまだ先というのが大部分。こうしたイベントで言われるのが、「マネタイゼーション」こと資源の現金化なんですよ。でも、IoT事業は正しいベクトルに向いていると思います。在庫管理が楽になるし、IoTで原材料費や商品販売でのコストも減るそうですし。セキュリテイ問題を考えると、ちょっと怖いんですが。

 皆さまも私もお忙しいので更に話を進めますと、全てのモノが繋がって大規模なデータセンターを使うクラウドに上げてから、アナリティックスで分析して対策を練るのってすご〜く遅くはありませんか。クラウドより、センサーで拾ったデータをその場のパソコンでも、プロセッサーででも処理しましょうーそれがエッジ(端っこ)ーということでございます。IBMのイノベーション・エグゼクティブのロブ・リザニー(Mr. Rob Risany)さんが参加者に問いました。「もし車が事故にあって、車からワイアレス、次々に通信で情報が経由され、情報センターに到達し、そこから指示が出されることの問題は?」そう、対処が非常に遅いですよね。ましてや自分の家族に起きたらどうなんでしょうか?「事故があった車で、その場で処理したいでしょ。」確かに。 このIoT—クラウド遅延問題を解決するのが、クラウドではなく、IoTにおけるエッジ技術です。通信のキャリアがセンサーで集めた莫大なIoTデータのために、回線設備を向上させることは割に合わないと公言していると、スピーカーは仰ってました。

 インテルのIoT開発ボードのガリレオ(Galileo)で、Javaを書いた(というか書いてもらった)私ですが、なぜクラウドのAWS(Amazon Web Services)にデータを上げなきゃいけないのか疑問でしたよ。クラウドに上げるより、側にある手持ちのパソコンで処理できないのかと(アマチュアだからかもしれませんが)。エッジコンピューティングでIoTがその場で処理され、加えてIoT向けセキュリティー技術が進めば、考え方一つで色々なモノが出てきそうですね!

投稿者: Ayako Jacobsson

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