2016.06.11更新

            IoT Innovation Day         

 イノベーションでは大企業ほど危機にさらされているとか。アメリカのヤフーが市場競争に負け、特許資産を現在売り出し中で、バラバラになりつつあるのはニュースで皆さんご存じでしょう。スタートアップから大企業まで競争が激しいシリコンバレー。今まで市場になかった製品が世界を変える、いわゆるディスラプション(disruption)を起こすことは大変です。そこで、モノにセンサーを付け、通信機能を使ってインターネットで管理したり、モノの状態をモニターするIoT(Internet of Things)で、ディスラプションを起こしませんかと、インテル(Intel)、IBM、台湾本社で日本法人もあるADLINK、そしてプリズム・テック(Prism Tech)が、シリコンバレーのテックな人々に招聘をかけました。それがサンノゼのテック・ミュージーアムで行われた、 IoT革新の日(IoT Innovation Day)です(写真右上インテルのIoT部門CTOのMr. Brian McCarsonと、写真左上IBM Inovvation Executie のMr. Rob Risany)。

 通告文にあった「端っこ(Edge)」というキーワードに惹かれ、サンフランシスコから時間をかけてサンノゼにはるばる?参りましたよ。Edge って、IoT事業の崖っぷちという意味にも取れなくはないが、というのは冗談です!しかし、IoT事業の今は概ね投資ばかりで、回収はまだ先というのが大部分。こうしたイベントで言われるのが、「マネタイゼーション」こと資源の現金化なんですよ。でも、IoT事業は正しいベクトルに向いていると思います。在庫管理が楽になるし、IoTで原材料費や商品販売でのコストも減るそうですし。セキュリテイ問題を考えると、ちょっと怖いんですが。

 皆さまも私もお忙しいので更に話を進めますと、全てのモノが繋がって大規模なデータセンターを使うクラウドに上げてから、アナリティックスで分析して対策を練るのってすご〜く遅くはありませんか。クラウドより、センサーで拾ったデータをその場のパソコンでも、プロセッサーででも処理しましょうーそれがエッジ(端っこ)ーということでございます。IBMのイノベーション・エグゼクティブのロブ・リザニー(Mr. Rob Risany)さんが参加者に問いました。「もし車が事故にあって、車からワイアレス、次々に通信で情報が経由され、情報センターに到達し、そこから指示が出されることの問題は?」そう、対処が非常に遅いですよね。ましてや自分の家族に起きたらどうなんでしょうか?「事故があった車で、その場で処理したいでしょ。」確かに。 このIoT—クラウド遅延問題を解決するのが、クラウドではなく、IoTにおけるエッジ技術です。通信のキャリアがセンサーで集めた莫大なIoTデータのために、回線設備を向上させることは割に合わないと公言していると、スピーカーは仰ってました。

 インテルのIoT開発ボードのガリレオ(Galileo)で、Javaを書いた(というか書いてもらった)私ですが、なぜクラウドのAWS(Amazon Web Services)にデータを上げなきゃいけないのか疑問でしたよ。クラウドに上げるより、側にある手持ちのパソコンで処理できないのかと(アマチュアだからかもしれませんが)。エッジコンピューティングでIoTがその場で処理され、加えてIoT向けセキュリティー技術が進めば、考え方一つで色々なモノが出てきそうですね!

投稿者: Ayako Jacobsson