2016.09.30更新

               Cloud+Surgical Robotics

昨日(9月28日)と今日の2日間、サンノゼ・コンベンション・センターでロボビジネス(RoboBusiness)というイベントが開催され、ロボッティックスの未来に関する基調講演がありました。初日はトヨタ・リサーチ・インスティチュートのジェームス・カフナーCTO(チーフ・テクノロジー・オフィサー:写真上段と下段の左側)から始まりました。 トヨタ・リサーチ・インスティチュートことTRI のカフナー氏は高性能のネットワーキングとクラウドコンピューティング、マシーン・ラーニング、ビッグデータなどで、ロボットや車のインテリジェントな開発が大きく進んでいくことを述べました。「過去10年でインターネットの速度と帯域が1600倍に向上しました。クラウドを使うことでストレージなど不要な部分を持たなくて良い上にビッグデータの解析結果も使えます」と、会場に集まった約2千人の聴衆に訴えました。カフナー氏はカーネギー・メロン大学でロボティックスを教え、グーグルで自動運転カーのソフトの開発も行っていました。同氏はクラウド・ロボティックスを提唱しています。彼はTRIで自動運転カーやロボットに正確なコンピューティングやデータのシェア、クラウドなどで性能を上げつつも、低価格化に励んでいます。ロボットの世界市場は2025年までに約83億ドルに達するとの予測も出ており、地元のアメリカ企業からだけでなく、欧州や日本企業からの参加者が熱心に耳を傾けていました。

本日29日は、グーグルやジョンソン&ジョンソンが投資しているスタートアップVerb Surgical(バーブ・サージカル)の副社長2人(写真下段の右側)の講演から始まりました。まず市場開発副社長のディブ・ハーマン氏が同社の社歴とデジタルとロボットによる手術の利点を語り、次にリサーチ副社長のパブロ・ガルシア・キロイ氏が手術ロボットのデザイン開発で克服しなければならない点を具体的に述べました。現在市場に既にある他社の手術ロボットはdaVinciですが、「1基300万ドル近く、重量が重い」そうで、Verb Surgicalではより低価格で重厚でない手術ロボットをメサしているそうです。製品は開発中で、まだ市場に出ていませんが、日本市場に向けてはジョンソン&ジョンソンの日本法人が現在働きかけているそうです。

投稿者: Ayako Jacobsson