2016.05.27更新

       IoTDevCon

 最近シリコンバレーで良く耳にするのは「モノのインターネット(Internet of Things)は単なる誇張された話題?あるいは本物?(Is it hype or reality?)」というセンテンスでございます。では、実際に見たり、聞いたりしてみようではありませんか。という訳でサンフランシスコから1時間以上かけて南のサンタクララ市で開催中のInternet of Things Developers Conference(IoT DevCon)にやって来ました。

 IoT DevConは今回で3度目で、60社が展示中とのこと。ラッキーなことに会場で最初に出会ったのはポーウラミさんという米半導体企業で日々IoT分野をリサーチされている方。「IoTで一番に来るのはやはり車で、それに続くのはメディカルやグリッド」 とのお言葉。確かにサンフランシスコで開催中のディスプレイウィーク2016(Display Week 2016)のように、ここでも会場に車関連の出展がございます。日本のタクシー会社をクライアントに持つ台湾本社のVIA テクノロジーズ(VIA Technologies)は、車載用IoT製品やこれから出荷予定のIoT製品を展示しておりました。車の4カ所にセンサーが付いていて、道路状況だけでなく、走っている車の上から状況が把握できるので、「車の盗難防止に有効」とディビッドさんは言います。 もちろん車関連だけでなく、IoTのプラットフォームを出しているアイラ・ネットワークス(Ayla Networks)、ベルギーからIoTセキュリティ社バーコ・サイレックス(BarcoSilex)やサンノゼからは同じくセキュリティのリンクス・ソフトウェア(Lynx Software)、無料のIoTセキュリティ評価キットを出しているセキュアRF(SecureRF)、プロトコル・ソリューションのテレダイン・レクロイ(Teledyne Lecroy) 、IoT向けクラウドを含むソフト会社PTC(マサチューセッツ本社)、そして日本のルネサス・エレクトロニクス(Renesas Electronics)等が出展していました。

 クラウド・ファウンディングのキックスターター($150)で資金集め中の、IoTキットも出ていて、これはハイプではないなと実感させられました。PTCのランディさんは、赤球と青球をAIを使ってセンサーで分離したシステムを見せて下さいました。日本ではくら寿司のカバーにICタグが付いていて、寿司のデータをリアルタイムで集めて、ニーズ分析しているそうですが、IoTは使い方次第でいろんなことが便利に出来て本当に面白いですね〜。

      IoTDevCon at SC

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.05.14更新

       IOTW connected car

 サンタクララでのInternet of Things Worldが昨日、終わりました。基調講演や展示以外に、製造業におけるIoT、クラウド、スマート・シティやスマート・ホーム、ヘルスケア、IoTのセキュリティ、コネクティッド・カーの未来、ウェアラブル、フィンテックなどなど、討議内容がてんこ盛りなのでした。で、自分のカバーできた範囲内でのIoTワールドのまとめました。全部回れなかったので、その辺のところ宜しく!でございます。 まずはIoTの注目株、車がスマホ化するコネクティッド・カーに関してですが、残念ながら驚きが無いなぁと個人的には思いました。だって、他で見たようなものばかりで、新規性が無いと。ですが、匿名希望の専門家にお話を聞きますと「コネクティッド・カーの現状や今後の方向性を議論するイベントなので、新規性を求めるのは間違い」だそうです。例えば後方の死角を無くすカメラ設置や酒気帯び運転をブロックする先進運転支援システムのADAS(Advanced driver assistance systems)、高速道路交通システムで使われる無線通信技術のDSRC(Dedicated Short Range Communications)車や車対デバイスなどのコミュニケーションV2X(Vehicle-to-everything)向けの通信に関し、議論があったそうです。次に最新の車関係の情報を得るには、6月8日から9日までの デトロイトでのTU-Automotive Detroit 2016がオススメとのアドバイスを頂きました。

 次にセンサーでデータを集めて人間の健康向上に貢献する ヘルスケアのIoTに関して、でございます。カリフォルニア大バークレー校出身でオプティメトリストのディア(Dear:写真の方)氏は「医療情報は統一されて流れず複雑なので、リアルタイムで前後に動かせれば、患者の治療が効率的になる」と、メディカル分野に関してのIoTへ期待を述べられました。いろいろ医療データに関する規制(と罰金)は多いのですが、そうした垣根をクリアするにはやはり、メディカル・データに関するしっかりしたセキュリティです。年間500億ドルの営業収益を出す米総合病院のKaiserの医師でチーフ・メディカル・インフォメーション・オフィサーのマティソン(Mattison)氏は医療機関にスマホやタブレットを導入する場合のセキュリティ・チェックの重要性をお話下さいました。

 ちょっと話が飛びますが、無料スマホやタブレットとかが配られても、裏にバックドアがあったりして、データが欲しいと思っている企業に使っている方々の情報が漏れる訳で、タダより高いものは無いってことなんですね。それでも、経済的な側面や利便性を優先して、どんどんデータ欲しければあげますよって、肝の据わった方々にはまぁ良いのかもしれません。

       Dear

 

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.05.13更新

                HackathonIot

 サンタクララでのIoT Worldもいよいよ終盤。大会場の中で、200人の選ばれたデベロッパーたちがハッカソンで腕を競っています。なんと優勝賞金は$1万ドル(百万円超え)の現金ですって(詳しくはこちらhttp://www.wwcongress.com/iot-for-cities-hackathon/)。ハッカソン会場で出会ったのは、アリゾナ州 フェニックス大学ソフトウエア・エンジニアでリーダーのアチュート、データ・サイエンティストのアスペン、同じくソフトウエア・エンジニアのディブの3人です。残念ながらチームでアンドロイド開発を担当するアンディはたまたま不在でした。 狭く長細い机の上で、プログラミングしていた彼ら。取り組んでいるプロジェクト名は「Elderly Smart Help (高齢者をスマートに助ける)」といいます。モーションセンサーを使い、 例えば超熟女が卒中などで倒れた場合、首のネックレスに付けられたセンサーが、遠く離れた子供たちに「お母さんが倒れました!」と、教える仕組みを構築中でした。高齢化が進むから、上手くいけば、確かにビジネスになりそうだなどと、皆でワイワイ話し合っておりました。

 そこにトルコ出身の一見怪しげなメンターが突如現れ(下の写真奥の髭の方でございます)、プロジェクトの内容を聞いてきたのです。「なかなか面白いけど、テレビを見ていた時に、急に病気が襲ってきて動かなくなるかも」といって、色々なアイディアを投げかけ始めました。「ウェアラブルを身につける人を理解するために、始めはデータを集めなければ意味がない。」データ・サイエンスのアスペンは同感し、話はデータ集めの話に。脈をモニターしてデータを持続して集めたり、人には毎日の日課でのパターンがあるので、朝何時に起きて、運動は何時で、寝るのは何時という個人的な調査を行ったり。ウェアラブルに「あなた大丈夫ですか?はい、いいえ(Are you Ok? Yes or No)」という表示を付けるべきだと、話が盛り上がりました。

 水を掛けるというか、盛り下げるつもりはなかったのです。ですが、人はロボットでもないし、生活をパターン化しているものと理解され、コンピュータのAIで一括分析(アナライズ)されることには抵抗があったので、「(私のようにイベントがあれば何処でも出かけるルーティン無しの)いきなり行動する人はどうなのでしょうか?」そしたら、皆さん「人間には、それぞれ気がつかないパターンがあるんですよ」ということで押し切られてしまいました。はぁ〜。25歳で卒中とか、糖尿病とかの話も出て、科学をどうITに置き換えるかで皆さま、再び盛り上がっていました。

               IotWHack

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.05.12更新

             LevisS

 昨晩、Internet of Things World会場のサンタクララ・コンベンションセンターから歩いて8分のリーバイス・スタジアム(Levi's Stadium)で、 イベント後のVIPパーティが開かれました。参加した企業幹部やジャーナリストも、「このスタジアムを訪れたのは初めて」という方が多かったです。リーバイス・スタジアムは、アメフト・プロ連盟のナショナル・フットボール・リーグ(NFL)・チーム、San Francisco 49ers(サンフランシスコ・フォーティナイナーズ)のベース基地です。

 49ersというチームの名は、エルドラド郡コロマという町の側で金が48年に発見され、東海岸のニューヨーク・ヘラルド新聞がそのニュースを報道したところ、 全米だけでなく世界から一攫千金を求めて炭鉱夫や鉱山開発者がカリフォルニアに集まった歴史的事実からです。サンフランシスコはその当時、 千人以下の小さな開拓地に過ぎなかったのですが、1870年には約15万人に増加したという、とてつもなく凄いラッシュだったのです。

 スタジアムは4年前に建設が始まり、2014年夏に完成しました。そして、ゴールドラッシュ時にドライフーズやジーンズを鉱山師に売りまくり、会社を急成長させたドイツ移民の雑貨商リーバイス・ストラウスが創立したジーンズ大手、リーバイスが約2億2千万ドルでスタジアムの命名権を得ました。なんとも歴史的な因縁を感じますね。なお、最初のジーンズ、リーバイス501はワシントンDCのスミソニアン博物館に展示されています。 

             GoldNugget

 話をリーバイス・スタジアムに戻しましょう。シーズン毎に通年でチケットを買うのが普通なので、San Francisco 49ersの1試合だけ見たいとなるとなかなかチケットが手に入りませんし高いですが、チャンスはあります。以下のサイトをご覧ください。(http://www.levisstadium.com/tickets-suites/) 同スタジアムは今年2月にSuper Bowlの会場になりましたが、2019年には全米大学アメフト優勝戦が開催されるそうです。また、サッカーの試合や時に、アイスホッケーの試合、ビヨンセ(5月16日)やコールドプレイ(9月3日)などのアーチストのコンサートも開催されています。 

            LevisStudiam

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.05.11更新

                   IOT World

 IoTの大型イベント、Internet of Things World(インターネット・オブ・シングズ・ワールド)が5 月10日から12日まで、シリコンバレーで開かれています。 今年はappsworld(アップスワールド)、 future connected cars(フューチャー・コネクティッド・カーズ)、 Wearable World Congress(ウェアラブル・ワールド・コングレス)と、3つの業界イベントが結集して開催しました。 参加人数が1万2千人、展示企業は200社との発表です。 現在は概ね投資が先行するIoT業界ですが、2020年には500億のデバイスがコネクトし、互いにデバイス同士がトークするというアナリストも います。果たして、IoTはこれからのビジネスの本流になり得るのでしょうか。それを探るため、サンフランシスコから車でフリーウェイ101を約73キロ南に下り、 サンタクララ・コンベンションセンターに向かいました。

 ハイアットホテルに隣接するコンベンションセンターは、IT企業のオフィスだけでなく、NFLサンフランシスコ・フォーティナイナーズ(SF 49ers)の本拠地のリーバイス・スタジアムや、アミューズメント・パークのグレート・アメリカなどに囲まれています。 初日の10日は、 基調講演だけで展示はありませんでした。今日はHP、マイクロソフト、日立、サンフランシスコ市、 SAP 、セキュリティのADT、シルバー・スプリング・ネットワークなどのエグゼクティブが講演やパネル・ディスカッションを行いました。

 それぞれの企業のIoTの取り組みの紹介もさることながら、IoTの採用で倉庫も工場も、配送車が繋がることで、発注から生産までの流れがスムーズになり、時間削減で生産性が上がり、高品質の製品が出来ていく革新的な繋がりを目の当たりに見ることが出来ました。サンフランシスコ都市交通局のチーフ・イノベーション・オフィサーの司会で「モビリティなシェアで生まれるスマート都市でのカルチャー的な意義 (Embracing Shared Mobility and the Cultural Implications to Create Smarter Cities)」という題で、Uber(ウッバー)、Lyft(リフト)、Zipcar(ジップカー)からの代表がパネル・ディスカッションを行いました。 都市内でマイカーを持つ若者が減り、都市の生活や流動性が変わっていく様や、自動運転車(オートノマス・カー)のことなどが話し合われ、盛況のうちに初日を終えました。

          IOT World2

投稿者: Ayako Jacobsson