2016.05.07更新

       ターゲットのオープンハウス

 ゴールデンウィークが終盤戦に入った木曜、米大型小売店のターゲットがIoT(インターネットに繋がる)製品だけを扱うサンフランシスコのオープンハウスで、イベントを開きました。投資家のVCや起業家、デベロッパーたちが集り、IoTの将来を話し合う会合でした。かつてソニーがあった複合施設のメトレオン1階の、白一色のお洒落な店内には、スマホやタブレットと連合するバスケット・ボール、スマホから動作できるコーヒーメーカーやサーモスタット、光を調整できる電灯、スマホで開閉できるドアの鍵、赤ちゃんの体温から健康状態を察するスマート産着、 モノの所在が何処かが直ぐ分かるキーチェーンのようなもの等が整列されています。こうしたネットに繋がる 日常製品を扱うのが、ターゲットのオープンハウスです。

 何でも繋がるインターネットが日常に入り込んでいるのは、車、住宅、玩具のようなドローンから、インターネット・オブ・エブリシングという産業用へと、日々ネットに繋がっていく世界が拡張中です。インターネット・エブリシング(IoE)とは、GEデジタルなどが提唱する産業用インターネットで、工業製品がセンサーからデータを集合するだけでなく、デバイス同士が話り合う世界へと移っているのが、まさに今であります。

 そうした時代の懸念は、IoTやIoE上、その周りのセキュリティです。最近で起こった事件ですと、約300万人のメール・アカウント(Hotmail, Gmail, Yahoomailなど)の情報が盗まれました。 ロシアから若いハッカーが、奪ったデータを闇の世界に売りました。もし、同じようなことがインターネット・オブ・シングズやインターネット・オブ・エブリシングの世界で起こったらどうなることでしょうか?最近の報道によりますとテスラ車をハックして、音声命令で車庫から自動的に出す試みがあったそうです。また、便利だと思って使っていた家のスマート鍵がハックされたり、ドローンに襲われたり、工場の製作機械が予期せずに勝手に動き出したり…。

 そうした懸念からか、IoTのセキュリティへの支出が増加していま す。調査会社のガートナーの最近の発表によりますと、世界のIoTのセキュリティへの支出は昨年の282百万ドルから、今年は348百万ドルに増えるとか。ガートナーは来年のIoTのセキュリティへの支出は、434百万ドルになるとの予測を出しています。セキュリティより利便性を重視するのか、個人や産業情報を重視するのかーこれは起業家、法律家、デベロッパーを含み、我々皆が関与する重要なテーマでございます。

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投稿者: Ayako Jacobsson