2016.06.15更新

            nasdaq entrepreneurial center

 日本から見ると、シリコンバレーではハイテク企業が急速に成長し、チャンスが豊富にあるように見えます。ですが、米国市場は「極度に競争が激しく、とても複雑で、よく誤解され、多くの神話や歪曲が多い」そうです。6月7日、サンフランシスコのナスダック起業センターで、起業のコツを教える講習がありました。最初に自ら何度も起業し、35か国以上の政府に起業訓練を行ってきたミッシェル・メシーナ(Michelle Messina)さんが、同センターで講演しました。彼女は最近、Decoding Silicon Valley (シリコンバレーを解析する)という、SVで実際に何が起こっているのかに関する本を出版したばかりです。

 メシーナさんは、SVの投資家、VC(ベンチャー・キャピタリスト)が普通、起業して上場や事業売却まで10年と良くいいますが、「実際は14年から17年」ともっと長い期間がかかっていると指摘しました。また、SVでは一つのアイディアや新しい技術で、類似のものが既に10社から20社あって、競争が実に激しいです。しかし、大部分のスタートアップは他から殺されるのではなく、自殺する(Most startups die of suicide, not homicide.)のだとか。また、SVでは真似しごんべ(copycat)が大嫌いで、ネットワークが非常に重要視されており、セールス・マーケティングが他の国と全く異なることなど、この地の特徴を次々解説しました。

 続いて、世界4大会計事務所の一つであるKPMGのマネージング・ディレクター、ローラ・ワッツ(Laura Watts)さんが、事業基盤を強化するためにアメリカでの会社設立、財務・税務等を説明しました。「エンジニアの方々は税務を軽視する傾向がありますが、IRS(アメリカ合衆国内歳入庁)が企業を潰してしまうこともあるんです」と、起業で税務法規を遵守することの重要性を訴えました。 アメリカにやってきたインターナショナルな才能に、成功のためのチェックリストやヒントを出し、エンパワーして、シリコンバレーの豊かなエコシステムに入れるよう、ナスダック起業センターには色々な学びの機会が用意されています(http://thecenter.nasdaq.org)。

投稿者: Ayako Jacobsson