2016.11.23更新

 最近のシリコンバレーはAI流行りで、人工知能関連のイベントやミートアップが目白押しです。9月にグーグル、アマゾン、フェイスブック、IBM、マイクロソフトが人工知能の普及促進団体のPartnership on AIを設立し、10月にはセールスフォースの年次イベント、ドリームフォースでは人工知能をCRM(顧客関係管理)に組み込んだEinstein (アインシュタイン)が出ました。11月7日から3日間はサンフランシスコ(SF)で、AI World (http://aiworldexpo.com)が開催され、好評でした。アマゾンのエコーを使ったアレクサのデモから、マイクロソフトの自然言語処理AIのルイス、そしてグーグルに買収されたAIのスタートアップapi.ai、AIによるロボティックスのデモなど盛り沢山な内容で、現在進行形のAI事業を知るには最適なイベントでした。

 翌週17日にはインテルがArtificial Intelligence DayをSFの目抜き通り、マーケットストリートにあるショッピングセンターの4階で開きました。クラーザニッチ(Krzanich)CEO、上級副社長のブライアント(Bryant)さんなどエグゼクティブや多くの著名ジャーナリストが集まった会場で、AI向けのプロセッサやアクセラレータ、コンパイラーなどを発表しました。インテルはAIを実行するデータセンターのサーバーの97%を占めているそうです。しかし、それ以上に驚きの発表はインテルとグーグルの提携です。グーグル側がAIのソフトウェアともいえる、C++やパイソンなどでニューラルネットワークを構築できるテンソーフロー(TensorFlow)の開発を進めていく戦略も明らかにしました。ヘルスケアのパネルディスカッションでは著名病院のIT関係者たちの討議に続いて、各産業界へのAIの影響をインテルIoT担当のマッカーソン(McCarson)さんの司会で話し合われました。

               IntelAI

 ベイエリアでのデベロッパー向けのミートアップでも、AIのイベントが増えてきております。シリコンバレーの百度のAI研究所では、リンクトインやセールスフォースとディープラーニングの重要責任者たちがパネルディスカッションを行いました。

               Baidu

 1956年にダートマス大学助教授のジョン・マッカーシー氏が人工知能の名付け親だそうですが、コンピューティングパワーが向上した上に安価になり、同時に言語理解が進み、深層学習のディープラーニングで最近一挙に盛り上がっている状況です。自動運転だけでなく、 ワシントンポストがリオ五輪の試合結果を人工知能でツィッター配信したり、株式市場をAIがレポートするなど、様々な分野で使われるようになっています。

 映画で古くは2001年宇宙の旅の人工知能HAL(ハル)、I,Robot(アイ、ロボット)、アイアンマンのJ.A.R.V.I.S.(ジャービス)、Ex Machina(エクス・マキナ)とか色々ありましたが、これからAIはどんな方向で使われていくのでしょうか。デジタル化が進み、皆がスマホを持つようになり、データ集めが簡単になっている昨今、討議を進め、考えながら、人に優しく、明るいAIを目指したいものです。

投稿者: Ayako Jacobsson