2016.08.27更新

          ベゾスのブルー

スタートレックやスターウォーズの映画やカール・セーガン教授のテレビシリーズのコスモスを見ても、見なくても、地球を超えたところに何があるのかと思ったことありませんか?先日、イギリスのクィーンメアリー大学が、プロキシマbという惑星が、すごく地球に似てた星だという報道がありましたし、宇宙の旅は未知で興味をそそられます。

かつてアメリカでの宇宙開発は、ご存知のように NASA(米航空宇宙局)が中心でした。米ソのロケット打ち上げ競争から、スペースシャトルプロジェクトが終わり、民営企業による低コストの宇宙事業が盛んです 。かつて、セーガン教授が「アポロ計画について「莫大な予算を注ぎ込んで得られた人類の恩恵はヒートテックとテフロン加工のフライパンだけ」とコキ下ろしていましたが、ロケットの再利用するなど、低予算の宇宙事業で手堅いのは、アマゾンのブルー・オリジンでしょう。ライバルのスペースXには5千人以上を雇用中ですが、ブルー・オリジンは約600人のチームで頑張ってます。スペースX設立は14年前ですが、ブルーオリジンは 16年前から設立していて、まるでウサギとカメのようなスロー&ステディぶりが伺えます。

ブルー・オリジンは大型の液体燃料ロケットエンジン BE-4を、ロッキード・マーティンとボーイング社の合弁会社 ユナイテッド・ローンチ・アライアンス (ULA) に供給予定です。こうして着実に事業を進めながら、2018年には有人の宇宙旅行を目指しています。 同社の最近のロケットランチの映像は以下で御覧になれます。https://www.youtube.com/watch?v=EI-tGVFg7PU

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.08.26更新

               datapoints lumiata

昨晩のルミアタ最高経営責任者Ash Damle氏の講演と、リサーチから、同社がどんなビジネスをなさっているのかを簡単にまとめてみました。

2013年に設立されたサンマテオ本社のルミアタ(Lumiata)は、医療用人工知能を活用し、データ科学、医療科学などを組み合わせ、 医師や公衆衛生機関に医療上のリスクとケアマネジメントを強化する予測分析を出しています。http://www.lumiata.com

現状ではリアルタイムでクレームの分析や臨床データの共有はできないので、効果的なリスク管理や、質の良い結果を一般的に出せないそうです。しかし、ルミアタには6千万以上の患者の医療記録、33000 万以上のデータポイントや、3テラバイトの メディカル・ナレッジ、 36,000時間に及ぶ医師のレビューなどがあるのが強みです。EHRデータ、クレーム、研究所での結果、センサーなどのデータを、Lumiata Risk Matrix(ルミナタ・リスク・マトリックス)として、時間に基づいた医療グラフモデルを出しています。つまり、時間によって病気のリスクがどうなるのかが分かるというわけです。

同社の技術を使っているのはブルークロス、ユニバーサル・アメリカン、インデペンデンス・ブルークロス、テレメディスンやインテリヴィジットなどのデジタルヘルス会社です。

以上のような成果が評価され、今年5月にはインテルキャピタルから1000万ドルを調達しました。ルミアタに既に投資している他のVCにはブルークロス・ブルーシールド・ベンチャーパートナーズ、サンドボックス・インダストリーズ、コスラ・ベンチャーズなどがあり、有望視されているようです。

 

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.08.25更新

              Lomiata CEO

ここ3年、シリコンバレーではAI(人工知能)を使うハイテク企業が増えております。具体的にはアップル、Facebook、グーグル、アマゾン、テスラ、リンクドイン、airbnbなどですが、医療分野ではどうなのでしょう?医師の手術をロボットに置き換えることを除き、ヘルスケアにおける人工知能の技術は、他の産業に比べるとベールに包まれており、これからどうなるのか謎です。

今日はVWareとEMCによって設立されたクラウド系ソフトウエア大手のピボタル(Pivotal:本社パロアルト)で、医療におけるAIに関する講演が午後6時からありました。お話し下さったのはルミアタ(Lumiata)の設立者であり、最高経営責任者(CEO)のAsh Damleさんです。DamleさんはUCLAやMITのAI(人工知能) 研究所やロボティックス研、NASA、米海軍などで働いてきました。研究も米国内に留まらず、欧州、豪州、インド、中国や日本でも行った経験をお持ちです。

Damleさんはヘルスケアでの AIを実践的にどう使うかについて語りました。高度なデータ・サイエンスの技術と、AIを駆使した技術、そして臨床科学で、保健機関へ臨床予測をリアルタイムで提供するそうです。自動的に情報を処理、機械学習で健康に関するデータの複雑な関係を計算し、グラフ化などを行います。私もこの分野はしっかり勉強が必要なので、詳しくはまた、明日お伝え申し上げます。お楽しみに!

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.08.23更新

        FB マーク・ザッカーバーグ

今年1月ラスベガスでのCESに参加した時、ビルの建物に オバケのQ太郎のような黄色と白のスナップチャットの大きなロゴが、ホテル・ルクサーのピラミッドに出現し、話題を呼んでいました 。2011年9月にスタンフォード中退のエヴァン・スピーゲルさんたちが、親の家で立ち上げたモバイルアプリの会社だったんですが、見たら消えてしまう写真共有のアプリが若者たちに受け、最近ホント伸びが凄いですね。日本ではティーンエージャーの間でスナチャと呼ばれて、流行っているそうですね。CEOのスピーゲルさん、いやエヴァン君でも良いかもという感じの1990年生まれの20代でございます。

スナチャにはいろいろな面白い特徴があるのですが、特に受けているのがLIVE STORIESという機能です。 世界各地で開催中のスポーツやイベントを撮影した動画が上がっています。 スナップチャット、これはオモロイとばかり、 SNSの大物フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOが買収しよう!とこれまで2回試みております。ご存知のようにフェイスブック(FB)には、先に買収したインスタグラムがあるんですけどね。ザッカーバーグさん、最初は10億ドル、次は30億ドルで。でも、スピーゲルさんはお断りされました。ただ、これからFBの資金力で買収される可能性とか、競争で潰される可能性もなくはないです。スナップチャット、今年の売上げ目標は3億5千万ドルですが、対するFBは260億ドルです。FB子会社のインスタグラムですら2、30億ドルといいますから。

FBはスナップチャットの特徴であるカメラアプリの後追いとか、スナップチャットのLIVE STORIESのように、スポーツ系の番組を取り込んだりとか、色々似たようなことを新規でやっていますが、今のところスナップチャットほど、若者たちに受けてはいないようです。この世代の方々は字を読むより、ビジュアルを好む方が多いですもん。両社の競争、これからどうなるのでしょうか。スナップチャット対フェイスブック、to be continued…

ところで、梅干しがお好きなスーパーモデルのミランダ・カーさんとシュピーゲルさんとのご婚約、おめでとうございます!

              snap miranda

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.08.03更新

               2016 M&A

2016年の出だしは地味でしたが、買収によるマーケットでの成功例が増えてきたためか、テック企業の買収活動がまたまた活発になってきました。市場での買収成功例といえば、サムスンがモバイル決済技術の米ループペイ(LoopPay)を2015年2月に買収し、磁気伝送技術を手に入れました。よって、サムスンペイは米小売の9割が設置している磁気カードリーダーに無線でカードの番号情報を転送して決済できるようなったのです。また、オラクルは業務用クラウドの老舗ネットスイート(NetSuite)を90億ドルで買収し、クラウド事業の売上げ増を図っています。M&Aを追っていくと、企業の次なる事業戦略が分かります。以下は2016年の主なM&A事例です。

2016年第2四半期のM&A事例

※マイクロソフト、Linkedinを26.2 billionドルで  ※IMS ヘルスとクインタイルズ・トランスナショナル、8.9 billionで合併  ※コンピュータ・サイエンシズ・コープ、HPエンタープライズを8.5billionドルで ベライゾン、ヤフーを4.8 billionドルで  ※シマンテック、ブルー・コート・システムを4.65 billionドルで  ※セールズフォース、ディマンドウェアを2.8billionで  ※セールズフォース、ワードプロセッシングアプリ、クィップ(Quip)を750 millionドルで  ※テスラ、ソーラーシティ2.6 billionドルで 中国の投資グループ、Lexmarkを3.6 billionドルで ※中国の投資グループ、NXPセミコンダクターのスタンダードプロダクツ部門を2.8billionドルで  ※グーグル、スタートアップ3社を買収(画像認識APIのMoodstocks, ビデオ配信のAnvato, リンクで知識を共有するKifi)

2016年第1四半期のM&A事例

※フォックスコン、シャープを3.5billionドルで  ※Tianjin Tianhai 、イングラムマイクロを6 billionドルで  ※マイクロチップ・テクノロジー、アトメルを3.6 billionドルで   ※NTTデータ、デルのペロット(Perot)・システムズを3.1billionドルで   ※IBMトムソンロイターのツルーベン・ヘルス・アナリティックスを2.6billionドルで   ※シスコ・システムズ、ジャスパー・テクノロジーズを1.4billionドルで

投稿者: Ayako Jacobsson