2016.10.28更新

サンタクララ・コンベンションセンターで、ソフトバンクグループの新顔、ARMが、ARMテックコンという技術会議を10月25日から今日27日まで開催しました。イベント冒頭の基調講演ではARMの最高経営責任者サイモン・シガーズ氏に続いて、ソフトバンクグループ会長兼CEOの孫正義氏が登壇。「インターネットがパソコンからモバイル、そしてIoTに移る」と、これからはモノにセンサーを持たせ、ネットに繋ぐIoTの時代が到来すると力強く語りました。以下がARMテックコンでのお二人の基調講演の録画(Genova Lab Inc撮影)です。

1990年設立でイギリスのケンブリッジにあるARMは、低消費電力のプロセッサの設計で知られ、大手携帯メーカーがごぞってARMのアーキテクチャーを採用しています。ソフトバンクが3.3兆円で買収したことで、一躍日本で有名になりましたが、スマホのCPUの9割以上にARMの設計が採用されているため、シリコンバレーのエンジニアの方々は同社のことをよく語られておりました。

記者会見には孫正義氏は不出席だったのですが、ARMのマイク・ミューラー副社長らがご出席されました。孫氏はARMにとてもポジティブな思いを抱いていらっしゃるけれど、ボスとしてどんな感じですかとミューラー副社長にお聞きしたところ、「長期的な視野で見られているので、とてもエキサイティングです。でも未だ数日前に会ったばかりなので良くわからないけれど…」とのことでした。

バークレーで起業され、英ボーダーフォン日本法人買収、米スプリント買収、アリババへの出資から株売却など、スパー・インターナショナルな孫氏。シリコンバレーでも彼の一挙手一同は注目の的です。

              ARMTechCon               

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.10.20更新

               Intel

 今年5月開催のGoogle I/Oでは、AI(人工知能)対応オープンソースのTenso Flow(テンソーフロー)などAIばかりが論じられていました。インテル主催のIDFでも、AIに向けたプラットフォームを出すと8月に宣言しましたし、トヨタが研究開発部門Toyota Research InstituteがAIへの研究助成金をミシガン大学に4年間出すと発表してます。9月にサンノゼで行われたRoboBusiness(ロボビジネス)というイベントでも、AIの重要性が強調されました。10月4日から行われたセールスフォース(Salesforce)主催のドリームフォース(Dreamforce)でも、AIを活かしたEinsteinという製品が、約17万人の参加者の衆目を集めていました。AI のスタートアップ企業、Vicarious Systemsにはマーク・ザッカバーグ、ジェフ・ベゾス、イーロン・マスク、ビノッド・コスラ、アシュトン・カッチャーなど著名人他、有名なVCが投資していますし、(http://www.vicarious.com/investors.html)。人工知能を研究する非営利団体のOpenAIも同様です(https://openai.com/blog/)。

そうです!シリコンバレーでは、AI(人工知能)が今、本当にホットなトピックなんです。なにせ2020年に50億ドル市場になると、予想を出すレポートもあるんですから。 昨今のコンピューティング技術進化が、AIを本格的に利用できる状況が作り出されました。スタンフォード大学が「2030年の人工知能と生活」というレポートを9月に出しました。そのレポートによると、AIによる自動運転カーが走り、ピザはドローンが配達し、犯罪の監視、人工知能ロボットが家事をするようになるとか。

               AI CAR

AIは現在、投資が先立っている段階ですが、AI関連の スタートアップが大手企業に買われたり、AIに携わるデータ・サイエンティストがシリコンバレーで引っ張りだこになっております。 では、シリコンバレーで最新のAIを学ぶにはどうすれば良いのでしょうか?スタンフォード大学(http://ai.stanford.edu)、カリフォルニア大学バークレー校(https://www2.eecs.berkeley.edu/Research/Areas/AI/)、ノースイースタン大学のサンノゼ校(http://www.northeastern.edu/graduatecampuses/)などにはArtificiaI Intelligenceの講座があります。スタンフォード大学にはArtificial Intelligence Graduate Certificateという4コースがあって、コンピュータ・ランゲージのCやC++ができることが必須です。13から15単位で授業料が$14,560から$19,800だそうです。 カリフォルニア大学バークレー校には学部と大学院にAIを学べるコースがあります(http://bair.berkeley.edu/courses.html)。ノースイースタン大学のサンノゼことシリコンバレー校にはコンピュータ・サイエンスのプログラムがあり、2017年1月から始まるプログラムの授業料は$46,000と聞きました。同校の強みは企業研修制度があることです。 しかし、教育機関で学ばずとも、シリコンバレーにはAIにまつわるイベントやミートアップも開催されています。サンフランシスコで11月7日から9日までAI Worldというイベントが開催されます。グーグルのプロダクトマネジャー、インテル、NVIDIA、MDアンダーソン・がんセンターなど多様な業界からAI事業に携わっている人々のワークショップから展示までが3日間にわたって行われます(www.aiworldexpo.com)。こうしたイベントに参加して最新のAI事情を学んだり、ウェッビナーで学ぶことから始めるのもAIを学んでいく一つの方法でしょう。

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.10.11更新

               MEET UP

ベイエリアには色々なイベントがありますが、忘れてはならないのがMeetup(ミートアップ)です。東京にもあるようですが、オンラインで自分の学びたいこと、趣味ややりたいことに合うグループに入って、そのグループのイベントに参加します。上の写真はシリコンバレー・コンテント・アントレプレナーズというグループのもので、アプリの考案から、作成、実際に市場にリリースするまでに関する会合です。サニーベールで明日、開催されます。

グループに入ると、Eメールで「こういった会合があるよ」と、お知らせが入ります。行きますか(Are you going)?という問いかけに対し、行く(Yes)、行きません(あるいは行けません:No)のボタンをクリックするだけです。無料のMeetupもあれば、$10など参加費を徴収するものもあります。コードを本格的に習いたい場合のMeetupでは、コースによって結構お高い受講料を取るものもあります。

ベイエリアを訪れられた時、IDF、Google I/O、オラクル・オープンワールドやドリームフォースなどといったイベントだけでなく、こうした草の根的なMeetupにも参加され、ベイエリアの住人と一緒に学んだり、交流するもの一興かと。

始めるにはまず、https://www.meetup.com のサイトからアカウントのご登録を。Meetupの開催は多いのですが、開催日直前になってイベントの通知が来ることも多いので、その辺は臨機応変にご対応下さい。ちなみに仕事の業務が終わった夕方午後6時から始まるMeetupが多いです。

 

 

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.10.08更新

               Your boss is AI !?

今回のドリームフォースで最新CRMのSalesforce Lightning、セキュリティソリューションのShield for Financial Services、コラボレーション・ツールの  Quipなど様々な展示がありましたが、やはり注目はAI(人工知能)をCRMに組み込んだEinstein (アインシュタイン)。モスコーニ会場の西館2階にEinsteinが展示されているので、早速行って参りました!

ハノーバーメッセでドイツのアームロボットの大軍Kuka(クカ)に遭遇しましたが、そのKuka君が展示されています。全世界にあるKukaに故障やメンテなど不具合がないか、そうした場合やこんな故障がありそうですよ。だから部品の修理で人を送って対応してくださいと、(人間の)担当管理者にEinsteinが通告すると行った具合です。

近未来の話ではなく、既に運送や株の取引関係でAIが使われております。配達員のボスがAIで、配達が遅いと機械に怒られ?、給与から賃金が差し引かれたりします。予算が決まっていたり、単純な命令系統の場合にAIを従業員のボスにして、人件費のセーブが行われております。

で、アインシュタインがボスになった場合はどうなんでしょうか?最終日のメインな基調講演でセールスフォースCEOのマーク・ベニオフさんと、ブロードバンドTV CEOのシャザッド・ラファティさんが、人間の感情がわかるAIの開発という話が出ていました。ですが、機械が上司になるなら、事情のわかるAIじゃないと、配達員の方もやっていけないですよね。まだまだ未発達のAIやボットが、上司になって欲しくないものです。

 

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.10.07更新

               Oculus connect

オキュラスがサンノゼのコンベンションセンターで、Oculus Connectという開発者会議をやっております。今年で3度目のこの会議にはマーク・ザッカバーグ(通称:ザックさん)も出演されております。今年で3回目で、ザックさんは参加者他が10万人だと仰っておりますが、おそらくFacebook経由のオンライン映像とかで、会場参加人数ではないでしょうが。

立体的なソフトビデオの開発では、オキュラス・スタジオがディズニーと協業するそうです。昔、ハリソンフォードさんがご出演なさったBlade Runnerを新たにリメークして、オキュラス向けに制作されるとか。近未来と日本と中国系の居酒屋が出てくるかつてのブレードランナーの映像が、どのようにメタモルフォーゼするんでしょうか?

 

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.10.06更新

              Marc @ Dreamforce2016

AIを活かした新製品、Einseinのアプリとか色々凄いとは思いましたが、更にさすがと思ったのはベニオフさんのエネルギッシュに他の方のことを思う姿です。基調講演が終わって、相当お疲れだと思うのに、一般参加者のスマホ写真に応えておられましたよ。セールスフォースが多くの人々に使われて、愛されているのは、製品の良さもさることながら、ベニオフさんの他の人々に対する態度やカスタマー重視などの在り方なんでしょうね。かつて、単独インタビューの時、「カスタマーに問題が」と、直前でドタキャンされ出直したことがありました。長いライター人生、初めての経験でした〜。

お客様は神様って、アメリカでそんな言葉が自然に出てくるのは、どんな企業でしょうか?それを実際に体現されているのがベニオフさんかもしれません。

 

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.10.05更新

               ST Developers Conference

今日10月4日、サンタクララ・コンペンションセンターで、STマイクロエレクトロニックス主催のST Developers Conference (開発者会議)が開催されました。セミナーやワークショップが35以上あり、展示も行われました。講演はIoT、スマート産業、セキュリティ、スマートなモノ、スマートホームなど5つの大筋に分かれ、クアルコム、マイクロソフトのアズール、IEEE、サムソンなど業界や学会関係者が講演しました。盛況でしたが、各講演が終わるたびに講演者のところに行って質問出来たり、開発者会議としてほど良い規模でした。

マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システムズ(MEMS) の微細加工技術で集積化した低価格のセンサーのアルゴリズムで、モバイルやスマートウォッチ、ウェアラブルなどにより、ユーザーのアクティビティのトラックに関する講演や人体へのワイアレス3Dモーショントラッキング、心臓の脈拍数をモニターするウェアラブルデバイスなど、興味深い講演が朝9時から午後6時頃まで行われました。

展示も活況で、STマイクロエレクトロニックスだけでなく、ソフトバンク傘下のARM、電話大手のベライゾン、Sensory、Avnet、iDevices、IEEEなどが展示していました。写真右下はWiTricity(ワイトリシティ)のエグゼクティブ・ディレクター、岡田朋之氏です。大学のMIT(マサチューセッツ・インスチィチュート・テクノロジー)からスピンアウトしたベンチャー企業のWiTricityは、非接触電力伝送技術で特許を持ち、トヨタ、石川島播磨(IHI)、TDK、Delphi、インテルなどと協業しています。岡田氏は「これからロボティックス企業との事業提携も進めていく」と語りました。

 

 

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.10.04更新

               Dreamforce2016

サンフランシスコのモスコーニ・コンンベンションセンターで明日4日火曜日から7日の金曜日まで、毎年恒例のドリームフォース(Dreamforce)が始まりますよ。今年は昨年より参加者数が増え、17万人の人出があるそうです。登録開始の今日、既にサンフランシスコの街は混雑していました。主催者側の案内にも通れる通れないで、結構な混乱ぶりが目立っていました。

1999年にオラクル出身のマーク・ベニオフさんが設立されてから、1500人のユーザー・コンフェレンスでウェスティン・セント・フランシスで始まったのがドリームフォースの起源です。顧客管理の営業ソフトからクラウドコンピューティングなど毎年革新的な製品群を出してきたセールスフォースです。今年はアイルランドのロックバンド、U2のコンサートから、AIベースのアプリ、アインシュタイン(Einstein:http://www.salesforce.com/jp/company/news-press/press-releases/2016/09/160921.jsp)を大々的にご宣伝なさるそうです。サンフランシスコで一番大きな会議場のモスコーニの全ホールを使うだけでなく、周辺の著名ホテルでも多彩な会議が行われます。社会貢献に熱心なベニオフ氏とセールスフォースですので、アフリカでのエイズ撲滅のために、U2のボノが共同設立者でもあるチャリティ団体のREDと手を組み100万ドルの募金を募るそうです。

初日の4日は実業家で投資家のマーク・キューバン(https://ja.wikipedia.org/wiki/マーク・キューバン)、啓蒙家のトニー・ロビンズ(https://ja.wikipedia.org/wiki/トニー・ロビンズ)らが基調講演を行います。5日水曜日はセールスフォースCEOのベニオフ氏、そしてビル&メリンダ財団のメリンダー・ゲーツさんが登場されます。6日は大手病院のネットワーク、カイザー・パーマネンテのCEOやグーグルの23andMe23aのCEOでセルゲイ・ブリンの元夫人のアン・ウォジツキ氏が登壇します。ドリームフォース会期中、ベイエリアの他のイベントもカバーしますが、続報をお楽しみに!

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.10.01更新

            RoboticsJapan

鉄腕アトムで長い間ロボットを愛し、産業用の出荷台数世界一の日本だからでしょうか、ロボット会議で知られるサンノゼのロボビジネスでも、日本人の方々のお姿がとても目立ちました。写真左上は品川本社のハーモニック・ドライブ・システムズ代表取締役社長の長井啓氏です。ハーモニックって、世界のアームロボットの内製部品に多用されております(https://ja.wikipedia.org/wiki/ハーモニックドライブ)。そのお隣はファナックの黄緑色のアームロボットです。アマゾンのフルフィルメントセンターでも、ファナックのアームロボットが製品の仕分けで活躍しております。

写真下左ですが、川崎のお絵描きロボットduAro(といっても、アタッチメントを変えると、車の製造とか色々出来るロボットなのですが)を展示されていたエンジニアの国師弘樹さんと小野茂樹副社長で、皆さんduAroが描いた似顔絵をお持ちです。

真ん中はヤマハのバイクに乗ったMotoBot君はヤマハとSRIインターナショナルの共同事業(ジョイベン)です。なんと、最高速度が187mph(1時間に187マイル進みます)!ハリウッドの映画でスタントマンの代わりに使えそうでございます。

写真下右ですが、マクニカのサンノゼ駐在員の西村大輔さんとAR/VRでスタートアップ案をお持ちの金澤友和さんです。また、トヨタ、ホンダ、パナソニックなどから多くの方々が参加されており、ロボットに関する関心の高さがひしひしと伺えたロボビジネスでした。

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.10.01更新

            RoboticsJapan

鉄腕アトムで長い間ロボットを愛し、産業用の出荷台数世界一の日本だからでしょうか、ロボット会議で知られるサンノゼのロボビジネスでも、日本人の方々のお姿がとても目立ちました。写真左上は品川本社のハーモニック・ドライブ・システムズ代表取締役社長の長井啓氏です。ハーモニックって、世界のアームロボットの内製部品に多用されております(https://ja.wikipedia.org/wiki/ハーモニックドライブ)。そのお隣はファナックの黄緑色のアームロボットです。アマゾンのフルフィルメントセンターでも、ファナックのアームロボットが製品の仕分けで活躍しております。

写真下左ですが、川崎のお絵描きロボットduAro(といっても、アタッチメントを変えると、車の製造とか色々出来るロボットなのですが)を展示されていたエンジニアの国師弘樹さんと小野茂樹副社長で、皆さんduAroが描いた似顔絵をお持ちです。

真ん中はヤマハのバイクに乗ったMotoBot君はヤマハとSRIインターナショナルの共同事業(ジョイベン)です。なんと、最高速度が187mph(1時間に187マイル進みます)!ハリウッドの映画でスタントマンの代わりに使えそうでございます。

写真下右ですが、マクニカのサンノゼ駐在員の西村大輔さんとAR/VRでスタートアップ案をお持ちの金澤友和さんです。また、トヨタ、ホンダ、パナソニックなどから多くの方々が参加されており、ロボットに関する関心の高さがひしひしと伺えたロボビジネスでした。

投稿者: Ayako Jacobsson