2016.08.20更新

               ATT Intel at IDF2016

IDF2016の会場ではIoT、自律ロボット、自動運転カー、ワイアレスのVRヘッドセットなど、数多い展示がありましたが、そうしたものを支えていく確実な通信インフラが必要です。ドレスデン工科大学 のフランク・フィゼック教授は、「2020年にネットワークに接続されるIoTデバイスが最大で5千億台、少なくても500億台」だと言いました。センサーからのデータやスマホの通信量が、日々膨大に増えています。日本でも2012年頃にiPhoneやタブレットが繋がらない通信障害が起こりましたが、覚えていらっしゃいますか?このままではデータが処理できなくなると、世界各国の企業や研究開発機関が2020年までに第5世代移動通信システム(5G)の導入に向けて、技術開発中であります。

インテルはAT&Tと今年2月、バルセロナのモバイル・ワールド・コングレス(MWC)で5Gの実験を共に行うと発表しました。今回のIDFの基調講演で、インテル上席副社長 のダイアン・ブライアントさんと 、AT&TのCSO( 最高戦略責任者)ジョン・ドノバンさんが5G向けのサービスや機器の開発へと一層の関係強化を述べました。ドノバンさんは「もし自動運転カーを持っていたら、(現在の交通事情がリアルで分かる)ライブ・マップが必要だし、キロメートル毎にギガビットが要る。ネットワークは遅くなることはできない。(遅くなれば)ストリートではなく、歩いている人に突っ込んでしまう。」AT&Tはインテル他と協力して、ネットワークの構成をソフトウェアで設定や変更できるソフトウェア・デファインド・ネットワークSDNとアナリティックスで対応するそうです。「ネットワークの75%をNFVでバーチャル化することは(目標ではなく)必須だ」そうです(http://intelstudios.edgesuite.net/idf/2016/sf/keynote/160817_db/160817_db.html)。

NFVとはNetwork Function Virtualizationの略で、汎用サーバー上で様々なネットワーク機能を仮想化することで、SDNとで柔軟なネットワークを 構築するものです。具体的にはLTEなど特殊なパケット処理のネットワーク機器を、 インテル互換のCPUを搭載したサーバーの仮想マシンで動かします。NFVと (Software Defined Network)を使います。専用のネットワーク機器を買うより安価ですし、クラウド基盤に簡単に繋がることもできます。

日本のメーカーも、もちろんNFVの取り組みを行っています。IDF2016に出展し、スポンサーである富士通がそうです。NFVは2012年10月ドイツで発表されましたが、富士通はその翌年から、NFVに対応しています(http://www.fujitsu.com/global/products/network/products/virtuora-nc/index.html)。川崎市からIDFに参加したデータセンタプラットフォーム事業本部NFV開発部の松浦康道さんは「世界でNFVの構築、運用、保守を、 子会社を含んだ富士通のネットワークで行う」そうです。

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.08.18更新

            dorne

IDFの二日目、水曜の8月17日でございます。サンフランシスコのモスコーニ・ウエストの1階にIDF2016に参加した各企業のエキスポ展示があります。2階のフロアでは仮想現実の闘いが楽しめるバーチュアル・コード・バトルが、3階では基調講演が聞けたり、繋がった歯ブラシやロボットなど様々なデモをやっております。昨日のクルザニッチCEOの基調講演の出だしで強調されたのが、VR(仮想現実)+AR(拡張現実)がMR(融合現実)でした。17日に多々ある展示の中で注目されたが、アマゾンの配送の取り組みでも有名なドローンでございました。

初日から、「あ、高めの網が張ってある!おそらくドローンを飛ばすんだなぁ」と、何度か見ていたのですが、16日は上を仰いでも何もないよ〜。ビルの谷間の窓側の空白の籠といった感じでした。「何時がドローンの出番なのかしら」と思っていたのですが、ようやく17日にドローンが飛びました。 その基盤にあるのが、インテル開発のドローン向け基板インテル・アエロ(Intel Aero)です。CPU(中央処理装置)にはコアが4つの クアッドコムがあるAtom、プロセッサやストレージ、通信機能などを搭載した開発者用ボードで価格は399ドルでございます。

ドローンを飛ばした経験のある方ならご存知だと思いますが、ドローン飛行は操縦者から遠くにある高い木の高さがどれぐらいなのかを把握するのが相当困難なのですが、そこはドローンの目となる3DカメラのRealSense(リアルセンス)の出番でございます。RealSenseは障害物を即座に認知し、奥行きを計測し、立体的なグラフをマップを生成して、障害物を回避します。「ドローン自体が衝突事故を回避できる」とインテルのAchintya Bhowmik副社長がおっしゃていました。

RealSenseは従来のカメラ、赤外線レーザプロジェクタ、赤外線カメラ、マイクロホン・アレイインテルなどから出来ていて、インテルがずっと開発しているプラットフォームなのですが、今年の展示で更に進化し、ポジティブな印象を参加者に与えておりました。さて、これからRealSenseやIntel Aero・プラットフォームのソフトウェア開発キット(SDK)がどれくらいダウンロードされるのでしょうか?サイトはこちらでございます。http://click.intel.com/intel-realsense-developer-kit-r200.html

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.08.17更新

            IDF SF 2016

今年で20回目の IDF 2016が、今日火曜からサンフランシスコのモスコーニセンターで始まりました!コンピュータ向けチップの売上高が同社の半分を占めるインテルですが、今年はどんな新たな技術がこのデベロッパーズ・フォーラムで出てくるのでしょうか?18日の木曜まで開催されております。

モバイル向けチップで株価を伸ばしているクアルコムと比べ、インテルの業績は人員削減もあったし、このところフラットであります。 朝9時からブライアン・クルザニッチCEOの基調講演がありました(http://www.intel.com/content/www/us/en/intel-developer-forum-idf/san-francisco/2016/idf-2016-san-francisco-keynotes.html)。その中で同氏が強調していたのは、コードレスでコントローラ不必要のVRヘッドセットで、現実と仮想現実が混ざったマージド(融合)・リアリティのプロジェクト・アロイ(Project Alloy)でした。赤外線レーザー、HDカメラなどを連動させたこの技術は。モスコーニ西会場2階に行けば、実際にゲームを楽しめます。プロジェクト・アロイにはマイクロソフトも参加し、ウィンドウズ・ベースで開発するそうです。同プロジェクトのAPIとハードは来年、オープンなプラットフォームになるそうです。パソコンからスマホの販売も頭打ちになりそうな市場だから、CEOとしては新たに伸びそうなエリアに力を注がないといけません。

その他、クルザニッチCEO BMWとそしてテスラが死亡事故が原因で最近契約を切った、イスラエルのモバイルアイとも提携し、自動運転カーの開発に関しても言及しました。

1階のエキスポ展示は参加者に分かり易いように、VRとゲームのコーナーは2階、会場はデータセンターゾーン、 コネクティビティ、IoTコミュニティ、ソフトウェア・ディベロッパー・コミュニティ、メモリー・コミュニティなどに分かれて いました。エキスポから出てきたサンノゼからのSyed Nazarさんら3人組は「今年のIDFは昨年より際立って、新しい技術が出ていたし、 ゲームから産業用までチップの応用が素晴らしい。」と絶賛していました。明日は、会場から興味深い展示をご報告させてください。

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.08.16更新

         twitter headquarters

日本でテンダーロインと聞くと、牛フィレ肉か!と涎をもよおす方もいるかもしれませんが、サンフランシスコでテンダーロイン(Tenderloin)というと、 殺傷や強盗、薬にまつわる事件が多く、浮浪者が多い地区なので「近寄らない方が…」「え、大丈夫だった?」というような反応を頂きます。何せ、サンフランシスコの観光名所ユニオンスクエアの直ぐ側ですし、テンダーロインへの入り口まで高級ホテルのヒルトンなどが林立していますので、観光で来ると「え、ブランドが一杯入ったウェストフィールド・モールに近いし、どこが危ないの?大丈夫なんじゃないの?」というようなノリでつい、迷い込んで入ってしまいそうなテンダーロイン地区です。

テンダーロインは犯罪発生率が高いことで以前から知られているので、お巡りさんがここで勤務すると追加の手当が出て、美味しい牛フィレが食べられるよ〜ということでテンダーロイン地区と、呼ばれるようになったというような経緯があるんです。しかし、自分が殺傷されてテンダーロインになってしまってはしょうがありませんが。マイナーな事ですが、取材でここを通り過ぎた時、「$20くれ〜」と追っかけられたことがありました。

このテンダーロイン地区に貢献し、活性化しようとしているのか、あるいは単に賃貸料が安いからなのか、つぶやきのTwitterが本社を置いています(ちなみに住所は1355 Market Street Suite 900 San Francisco, CA 94103です)。午後6時以降にここで、テック関係のミートアップが行われたりして、SFのエンジニアが恩恵に預かっております。ただ、ビルから上に上がる前のセキュリティ・チェックはとても厳しいですし、ビル内の会場に入っても、イベント最中お手洗いに行きたくて動くと、ガードマンに「何処に行くんだ」と、取り調べを受けます。やはり、場所柄、警備に気が抜けないのでしょうね。

唯一オアシスなのはツィッターが入っているこのビルの1階に、The Marketという美味しい(テンダーロインだけじゃなくて)寿司、マイクロブルーワリーのビール、メキシカン料理、サラダバー、ハワイ料理のポケなどを、いかした音楽をバックグラウンドで聴きながら楽しめるんですって。「東海岸出身の私は、今まで美味しいという寿司には出会ったことがなかったけど、The Marketの寿司は初めて美味しいと思った」と、マーケティング会社で働く20代の アンジェラさん。 成長中の会社の周辺には、美味しい食べ物関連のビジネスが集まるんですね〜。何時か私もThe Marketでお寿司を試したいものです。残念なことにリージナブルな携帯電話を探している帰り道、ビルと内部の写真を撮って通り過ぎただけなので。でも、築地の朝のお寿司屋さん(あ、もうなくなる?なくなったんですよね)には、The Market寿司は敵わないでしょー。海の幸を堪能できる日本が本当に懐かしい…。

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.08.12更新

            Tesla Showroom in SF

テスラが明日8月12日金曜日(西海岸時間) 、サンフランシスコのダウンタウンにアメリカ最大の約6040㎡のショールームを朝9時から開きます。パロアルト本社のテスラは、ショールームを世界に約260店持っていますが、年末までに300店に、来年は約440店に増やす予定だそうです。

サンフランシスコの市庁舎からヴァンネス(Van Ness)・アベニューを北に上がっていくと、BMWグループのミニ(MINI)のショールームがあり、さらに歩くとBritish Motorsと銀色のジャガー、そして緑色の ランド・ローバーとBritish Motor Car(ローバーグループト合併)の看板隣に、赤字に白のTのロゴとその下の時計が見えてくるではありませんか。白と黒のSUVのモデルXや赤と黒のモデルS、シャシ−(車台)が展示されています。明日が開店本番ですが、テスラの社員の方々と工事関係者が最後のブラッシュアップで頑張っていらっしゃいました。

2015年に約5万台を生産したテスラですが、2018 年に50万台、2020年には100万台への増産を目指すとしています。生産しても売れないと、モデル3や EVバス、トラック生産まで行き着けなくなりますから、このショールームで頑張って宣伝しないといけません。

投稿者: Ayako Jacobsson

2016.08.06更新

             USmobileservices

仕事向けに電話回線を1本引こうと思って、色々な電話会社や小売店を回ってみました。 大手電話会社のベライゾン、AT&T 、スプリント、T- mobileだけでなく、メトロPCS、リテーラーのターゲット、ウォールマート、コストコまで〜。そうなんです。電話会社の店舗に限らず、大型小売店でもスマホや携帯、電話が買えます。小売のお店では時にセールなんぞやっているんですね。昔の線が繋がったオフィスの電話が、今ではスマホか、フリップ・フォーン(折畳み式電話)に変身した感じです。

しかし、電話の所有者が個人ではなくビジネスでとなると結構面倒でございます。加えて、クレジットカードを使わず、銀行から直接引き落とし(オートペイ)でとなると、さらに厳しい。この条件を加えることによって、端末を安く売っているウォールマートでの購入チャンスが消えてしまいました。ウォールマートの店員さん曰く「個人の加入には(米国政府が合法的に働ける人に割り当てる)ソーシャル・セキュリティ・ナンバーとか、アメリカの運転免許証が要る」というんですね。でも、法人加入でオートペイはやっていないとか。

シリコンバレーの人たちの口コミや、ヤルプのサイトからの情報も集めました。サンフランシスコでは契約のない前払い制(プリペイド)のT-mobileの評判がやたら良いんですね。で、ピンクの店舗を訪れると、店員さんの感じも素晴らしくフレンドリー。おまけにベライゾンやAT&Tなどと同じサービス内容を比較すると、毎月のサービス料が5ドル程度安いんです。もうここで良いかと思いつつ、ブロガー根性を出し、他も調べなければ!と、頑張りました。

親会社が日本企業のスプリントは「東海岸ではよく通じていたけれど、西海岸に引っ越してきて使ったら不都合なことが多い」というユーザーの声が。マーケットストリートの治安の悪そうな場所(テンダーロイン)にあるメトロPCSは、プリペイドで比較的安めだし、毎月60ドルでお使いのビルの守衛さんイチオシなので、ここでもいいかなぁと思いました。

ところで、気づいたのはビジネス向けの電話そのものがまずないのです。そこで、電話を買わなきゃ。まず買ってしまうか、月々分割支払いで2年間かけて購入かリースでも良いかもと、アンロックの電話がないかターゲットに行きましたよ。そこには大手電話会社だけでなく、クリケット、バージン、ブーストモーバイル、コンシューマー・セルラーなど耳慣れない事業者名が。大手携帯電話会社から回線を借り、携帯サービスをアメリカで提供する会社はなっ!なんと約200社はあるとか。

更に、ターゲットさんを訪れて気づいて良かった点は、電話担当の方にどのサービスが良いのか聞けたことです。「アメリカは国が広いので、インフラが整っていない田舎だと繋がらない電話のサービス会社があるの。どこでも一番繋がるのがベライゾンで、二番目がAT&T。」それぞれの携帯電話会社の前に全米でどこをカバーしているのか、マップまでありました。これを見て、大手2社のサービスがインフラ整備で少しだけ高くなっていることを理解しつつ、ビジネス向けの電話はベライゾンにしようと決めたのですが…。

更に調べたら、会社によって携帯電話の方式が違うということがわかりました。ベライゾンは主にCDMA方式採用で、登録番号以外だと端末が使えないばかりか、他のキャリアのサービスも使えない囲い込み方式です。え、じゃあ日本に行ったり、他の場所で使おうと思っても、アンロック電話のSIMを差し替えても現地で使えないじゃないの〜。 一方、世界の多くで採用されているGMS方式では、アンロック電話でSIMを替えれば使えます。色々な観点から、この複雑なアメリカの電話事情を、ビジネスで乗り切るには、AT&Tが良さそうですね。もちろん法人のアカウントや銀行直接引き落としも、会社のTax IDを提示すれば、大丈夫とのことでした。それで信用度を調べて、それが低いとデポジットを預けることが必要になるようです。結構手続きが本当にめんどくさいですが、システムとはこんなもんです。

投稿者: Ayako Jacobsson